STORY
全世界に14億人以上の信徒を有するキリスト教最大の教派・カトリック教会。
その最高指導者にしてバチカン市国の元首であるローマ教皇が、死去した。
悲しみに暮れる暇もなく、
ローレンス枢機卿は新教皇を決める教皇選挙〈コンクラーベ〉を執り仕切ることに。
世界各国から100人を超える強力な候補者たちが集まり、
システィーナ礼拝堂の扉の向こうで極秘の投票が始まった。
票が割れるなか、舞台裏で蠢く陰謀、差別、
スキャンダルの数々にローレンスの苦悩は深まっていく。
そして新教皇誕生を目前に、
厳戒態勢下のバチカンを揺るがす大事件が勃発するのだった─。
用語解説
【カトリック教会】
キリスト教最大にして最古の教派。
カトリックの総本山バチカンはローマにある世界最小の独立国で、
宗教機関と国家の両面を併せ持つ。
【教皇/ローマ教皇】
カトリック教会のトップ。
死去または辞任によってのみ任期が終了する。
【枢機卿(すうききょう)】
教皇に次ぐ高位聖職者で、教皇の最高顧問。
選挙権は80歳未満の枢機卿だけが持つ。
【教皇選挙/コンクラーベ】
新教皇を選出する選挙。
名称の由来はラテン語のCUM(共に)+CLAVIS(鍵)=「鍵と共に」で、「秘密の場所」を指す。
数日に渡る選挙期間中、枢機卿(投票者であり候補者でもある)は隔離され、
外部との接触や電子機器の使用を禁じられる。
【選挙の仕組み】
秘密投票の互選。
定員120名のうち、規定の有効得票数(投票総数の2/3以上)を得る人物が出るまで繰り返される。
会場は盗聴対策を万全に施したシスティーナ礼拝堂で、その煙突から白い煙が出れば選出決定、
黒い煙なら未決を意味する。